大阪府豊中市にある履正社高等学校(以下、履正社)が宗教の学校なのではないかと言われています。
結論から言うと、履正社は無宗教です。
それではなぜ宗教の高校と言われてしまうのでしょうか。
その理由はいくつかあります。
まず、ローマ神話に登場する神「マーキュリー」が校歌に使われているからです。
また、学校名や教育理念に登場する「履正」という言葉の意味が宗教っぽいからです。
それと、高校野球の出場校に宗教の学校が少なくないから。
さらに、創立百周年記念事業で建設された釜谷記念ホールが講堂のように見えるからです。
それでは詳しく見ていきましょう。
ローマ神話に登場する神「マーキュリー」が校歌に使われているから
ローマ神話に登場する神「マーキュリー」が履正社と関係します。
このことからSNS上では「あっ 失礼しました!マーキュリーって 神話に出てくる神の名前だわ、どうやら履正社は宗教学校みたい。」と言われています。
神とだけ聞くと宗教と関係あるように感じてしまう方もいるのではないでしょうか。なかにはキリスト教かと思う人もいます。
しかし、ぜんぜん宗教とは関係ないのです。
マーキュリーは、「商業の神様」として知られています。
それもそのはず、履正社は前身が「大阪福島商業学校」で商業高校でした。
さて、履正社とマーキュリーがどのように関係するかと言うと、校歌の歌詞に「マーキュリー」が登場することです。
上は校歌です。
歌詞の一番最初に「華城の精華茲に凝り 見よ栄光のマーキュリー」というようにマーキュリーが使われていますね。
校歌にあまり横文字が使われているイメージがないのですが珍しいですね。
ちなみに、上の校章は富山県立高岡商業高等学校のものです。
マーキュリーが持っている杖に蛇が2匹いて、それをモチーフに校章としている商業高校が多く在ります。その他にも次の高校もそうです。
- 広島商業高等学校
- 岐阜県立岐阜商業高等学校
- 秋田商業高等学校
- 群馬県立前橋商業高等学校
など。
それから、上のものが履正社高等学校の校章です。
マーキュリーの杖をモチーフにはしていないのですね。
「履正」が学校名や教育理念に含まれるから
「履正」という言葉が学校名にも教育理念にも使われています。
この履正という言葉が宗教のように感じられるのです。
上の履正社の教育理念をご覧ください。
校訓として上の図が示されていて「創立者兼初代校長、釜谷善藏先生が説かれた、建学の精神である校訓「履正不畏・勤労愛好・報本反始」が、 全ての教育活動の根源であります」とあります。
図の左上に「履正不畏」という聞き慣れない言葉が出てきますね。
この意味は「畏れずに正しいことを行う」ということです。
わかりやすく言うと、「物事に対して恐れずに正しいと思ったことを自身を持って行う」ということと思います。
なんだか、信仰心のあるような意味ですね。
このことから履正社は宗教と言われてしまうのです。
高校野球の出場校に宗教が少なくないから
高校野球において夏の甲子園・歴代優勝校は次のとおりです。
- 2011年、日大三(西東京)
- 2012年、大阪桐蔭(大阪)
- 2013年、前橋育英(群馬)
- 2014年、大阪桐蔭(大阪)
- 2015年、東海大相模(神奈川)
- 2016年、作新学院(栃木)
- 2017年、花咲徳栄(埼玉)
- 2018年、大阪桐蔭(北大阪)
- 2019年、履正社(大阪)
履正社は甲子園高校野球交流試合で優勝したことのある高校です。
甲子園の出場校は宗教の学校が少なくありません。
- PL学園・・・・PL教団
- 天理・・・・天理教
- 創価・・・・創価学会
- 智弁和歌山・・・辯天宗(べんてんしゅう)
- 駒澤大学岩見沢・・・・曹洞宗
- 聖望学園・・・・キリスト教(プロテスタント・ルーテル派)
- 聖光学院・・・・キリスト教(プロテスタント)
など。このため履正社も宗教と関係があると勘違いされます。
しかし、履正社は宗教と関係がないのです。
釜谷記念ホールが「講堂」と言われたから
上の画像をご覧ください。
履正社には、創立百周年記念事業の一つとして新校舎「釜谷記念ホール」が建設されました。
2018年12月10日、読売新聞がこのホールを「500人収容の講堂」と記したのです。
講堂というと宗教を連想させますね。
「講堂」の意味の1つに「学校などで、儀式・講演・劇などをする広い部屋」とあるのです。
「儀式」となるとやはり宗教っぽいですよね。
しかし、実際は講演や劇などするところとして使われるものだと思います。
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